制作は専ら「夜に」である。

 

出来事

出来事

出来事

 

沢山のインシデントの中に少々のアクシデント

嫌いではないけれど

 

制作中は、それに集中したい。

 

町全体の副交感神経が優位に立って

静かに休まる頃

「今、何を作りたい?」と自分に聞くところから始まる。

それは「今、何を聴きたい?」という問いと同じなのかも知れない。

 

1982年リリース

NEBRASKA / Bruce Springsteen

を、一枚通して聴いてみようと思ったのは、久しぶりのことだ。

これを真夜中に独りで聴くには、少しばかりのタフさが必要だと思い出したけれど、

途中で止めるのも、何だかね

「感覚」は大切にした方が良い

きっと、そこには何かがあるはずなのだ

 

「ネブラスカ」

どうにもならない現実に打ち拉がれて、時代から取り残される社会的な弱者が主人公

それはアウトローたちの物語とも言える

ブルースは、人の言葉や仕草や、

そんなものから、その人の人生を物語に仕立てる

ストーリーテラーとしての才能に僕は魅了されているんだな

そんな物語が10編

ブルース本人は一所に立ち止まって、周りを見つめている「定点観測」のようなアルバムだと感じた。

 

一方、自らが路上に繰り出す躍動感溢れるアルバム

1973年リリース

‘The Wild, The Innocent and E Street Shuffle / 青春の叫び’

も、お気に入りの一枚

 

この数日、「客観と主観 」を繰り返すように、このアルバムを交互に聴いている。

 

 

「ネブラスカ」収録の ‘Highway Patrolman’ について

 

ベトナム戦争から帰還した弟フランキーと警察官となった兄の視点

 

「フランキーが陸軍に入隊したのは1965年

俺は農業従事の徴兵猶予で、マリアと結婚して家を構えた

だか、その頃から小麦の価格は暴落し、まるで詐欺にあったようだった

68年にフランキーが戻って、俺は今の仕事に付いた」

 

ベトナムの戦場から復員した弟は、何があったのか人間がすっかり変わり、事件と厄介沙汰を起こす日々となる

ある日、酒場で事件を起こした弟は車で逃亡し、兄は警察官の職務として弟を追跡する

カナダ国境まで5マイル

その標識のところで車を止めて、消えてゆく弟のテールライトを見つめている

 

そこで、この歌は終わる

 

 

追い詰めてはいけない

必ず逃げ場を用意してやることだ

そんなことを学んだ歌でもある。

 

音楽界の大物 Johnny Cash は、翌1983年

Highway Patrolman と Johnny 99 をカバーし、アルバム ‘Johnny 99’ をリリースする

「これらの曲を自分が書いたのだったら…」と

 

映画界での地位を得たばかりのショーン・ペンはブルースに連絡をとり、この歌を原案とする映画の脚本を書き始める

そして、10年後

それは、映画「インディアン・ランナー」として結実する

とても良い映画です。

 

Highway Patrolman

若しくは、Indian Runner

というタイトルで、絵が描けそうな気がしてきました

そして、それはTシャツにもなりそうな

 

 

Goodnight, it’s alright, Jane

Now let them black boys in to the soul flame

We may find it out on the street tonight, baby

Or we may walk until the daylight, maybe

 

途上…

 

真夜中のテアトロにて

Share Your Thought