描こうとするとき

それに合う音楽を探すことも制作の一部分となっている

 

-「絵」は何を以って完成とするのか?-

 

僕を魅了して止まない疑問は扠置き

この絵については、「筆を置こう」というところまで辿り着いた

アトリエの中に、相応しい場所を既に見つけており

誰かの手に渡るまでは、自分の絵として楽しもうという魂胆

部屋に射し込む自然光、或いは照明、またはそのどちらも

時刻に依っても

つまり光には角度があるから

場所が変われば見え方も変わる

お気に入りの場所が見つかれば

手に入れた絵の楽しみ方は増すものだ

一年

一日

その中に在る季節に合わせて移動させるのも良い考えだ

それに油彩画は長い時間をかけて乾燥してゆく

今乾いているのは表面だけで

何層にもなっている絵具の内側は変化し続けている

一年後には、また雰囲気が変わっているだろうし

油絵が好きなのは、そんな厚みにあると言って良い

 

この絵と最も波長が合った音楽は

Ry Cooder が74年にリリースしたアルバム ‘Paradise & Lunch’

取り分け、その中の ‘Tattler’ とは相性が良い

天国で、ついでにお昼ご飯でも頂こう

そんな調子の良い、この作品を好む友人は多い

 

描くことで何処かに導かれるのは他の誰でもない自分なのだ

という気付き

少しばかり神経質な僕は、現実を直視ばかりしていては消耗が激しい

「人生」を楽しむことを考える機会を与えてくれた国

メキシコ

ほんの数日間ではあったが、メキシコ・シティで感じたあの温度

それは太陽から与えられる気温だけのことではない

あの国に充満している空気のこと

「絵」は見知らぬ土地の温度も伝えることができるだろうか?

 

untitled (pink, yellow and brown) | oil on canvas | 2017

 

それは僕に麻痺状態と催眠状態をもたらした

どちらも良質なものだ

 

再び描き始めた油彩画の一作目としては

上々

 

 

Um, one more is not hard for you to understand

True love can be such sweet harmony

If you do the best that you can

 

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