‘BORN IN THE USA’ の驚異的な大成功の後

Bruce Springsteen が発表したのは、内省的な詩を持つ ‘TUNNEL OF LOVE’ というアルバムだった。

1988年、僕はまだ中学校に居た。

そして、何故か

この曲の詩に魅せられていた。

 

ビル・ホートンは用心深く生きてきた

いつも肩越しに辺りを窺い 規則には忠実だった

何かに気が魅かれた時には 本当に必要かどうか考え

そのまま注意深く先へ進んだ

 

ビリーは5月もまだ早いうち 若い女に出会った

彼は彼女の腕の中で用心深さを忘れた

ふたりは抱き合い 空が暗くなる頃

彼女の腕の中で彼は寛ぎ

自分に起こったことに対して微笑んだ

 

右手にビリーは愛という言葉のイレズミを彫り

左手には恐怖という言葉を彫った

どっちの手に彼の運命が握られていたか定かではなかった

晩秋のある暖かい日 彼はその若い恋人と結婚した

そして自分の手で川の近くに 彼女のために大きな家を建てた

 

ビリーは正直な男で 正しいことをしたいと思った

彼はふたりの生活を 幸福な昼と愛の夜で満たそうと努めた

暗闇の中ひとりでひざまづき

心の落ち着きをお与え下さいと祈った

裏切りの種は落ち着きのない心の中に

あるということを彼は知っていた

 

ある晩ビリーは恐ろしい夢を見

妻の名を呼びながら目を覚ました

彼女は彼のかたわらで 千マイルも離れて

安らかな寝息をたてていた

彼は月明かりで服を着 ハイウェイに向かって歩いた

そこに着いた時 道の他には何も見えなかった

 

彼は名状しがたい寒けが身体を突き抜けるのを感じた

手の中のふたつのイレズミの言葉から

決して逃れることはできないと彼は知っていた

ベッドのかたわらに立ち

彼は妻の顔にかかる髪を払いのけてやった

月の光が彼女の白い顔を照らしていた

そして神のところから降ってくる美しい光が

ふたりの部屋を満たした

 

 

on his right hand Billy’d tattooed the word love and on his left hand was the word fear

and in which hand he held his fate was never clear

 

 

 

 

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