ぼくに逆らって作用する

引力

引力が

ぼくを地面にへばりつかせたがっている

 

ぼくには決してわかることはないだろう

いったいどんなことがあれば

心から溢れ出すほどのたっぷりの愛を持ったこの男が

その愛を捨て去る手段を夢見るようになるのか

 

ぼくに逆らって作用する

引力

引力が

ぼくを地面にへばりつかせたがっている

 

量が二倍でも二倍よくなるとはかぎらない

そして半分の量の時のように支え切ることができない

もっともっと欲しくなっていくばかり

そしてぼくは跪かずにはいられなくなってしまう

 

引力よ

ぼくに絶対に近づかないでおくれ

引力の手に委ねられたのは

ぼくよりもずっとましな男たち

どうしてそんなことに?

光ある場所にぼくを居続けさせておくれ

光ある場所にぼくを留めさせておくれ

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