兎に角、不思議なアルバムです。
神秘的な詩を書く Van Morrison ですが、68年作品のアルバム ‘ASTRAL WEEKS’ は特にその色が濃い。
このアルバムを聴き始めてからずいぶん経ちますが、聴く度に新しい発見があります。
セールズは成功しなかったものの、アメリカのROLLING STONE誌が企画した「ベスト・アルバム100選」の第7位であることは、同じ様に聴いている人が沢山いることの証明でしょうね。
ジャンルに拘るタイプではありませんが、このアルバムをどう括って良いのか?
身体で感じる程のBEATがないのでROCKとは形容し難いし、長くてあまりリズムもはっきりとしない。
録音に参加したベースのリチャード・デイヴィスによると、ヴァンは大変無口で演奏に対する指示を一切しなかったという。
ジャム・セッションに近い感じで演奏される音に合わせて、ヴァンも即興的に言葉を紡ぎ出す、そんな雰囲気の伝わるアルバムです。
敢えて言うなら、これはJAZZだね。
此処で、あまりJAZZの話はしませんが、JAZZが好きです。
CONTINUUMという名前は JACO PASTORIUS からの借り物だしね。
同じくベーシストの 巨星CHARLIE MINGUS も好き。
黒人とアメリカン・インディアンの混血である彼は、マイノリティとしての闘争心を音に変換して演奏する音楽家。
恐怖を感じるくらいに繊細で美しい BILL EVANS も大好きだ。
また機会があればJAZZの話でも。
ASTRAL WEEKS
自動車はひび割れたまま走り
死は裏道の行き止まりを隠す
そんな君の夢の陸橋の間で
僕が後流に飛び込んだなら
君は僕を見つけてくれるかい
僕のまぶたに口づけしてくれるかい
そして静かにやさしく僕を横たえて
生まれ変わる、生まれ変わる
海のずっと向こう側から
もし僕が車輪を動かし始めて
腕を後ろにまわして立ちながら
外に出ようとドアを押したなら
君は僕を見つけてくれるかい
僕のまぶたに口づけしてくれるかい
そして静かにやさしく僕を横たえて
生まれ変わる、生まれ変わる
ほら、また君は
貪欲そうな眼をして立ったまま
… に話しかけている
壁に掛けられた写真を見せたり
廊下でささやいたりしながら
そして僕は指差す
ほら、また君は、そうさ君は
ひだまりの中にいて
自分の恋人たちを置き去りにする
自分の目の前で
ほら、また君は
自分の男の世話をやいている
奴が洗濯したての服を着ているから分かるのさ
しょぼくれた赤い靴なんか履いて
奴が洗濯したての服を着ているから分かるのさ
しょぼくれた赤い靴を履きながら
僕を指差している
そうさ、君の沈黙に耐えながら
僕はベストを尽くしている
君を真正面から見据えながら
ダーリン、僕はなんとか耐えている
自動車はひび割れたまま走り
死は裏道の行き止まりを隠す
そんな君の夢の陸橋の間で
僕が後流に飛び込んだなら
君は僕を見つけてくれるかい
僕のまぶたに口づけしてくれるかい
そして静かにやさしく僕を横たえて
生まれ変わる、生まれ変わる
別の世界で
別の世界で、別の時代に
故郷は空高く
この世界には他人ばかり
僕はこの世界のよそ者
僕の故郷は空高くに
遥か彼方の別の地に
ずっと天を昇って
別の時代に、別の世界で
別の時代に、別の世界で
ずっと天を昇って
別の時代に、別の世界で
別の時代に、別の世界で
そして、別の顔で
よく読めば、ちょっと怖くなるような詩ですが「神智学」に於ける ASTRAL を歌っているようです。
『結局「終り」はない』という話
だったら、楽しくいこう。
嗚呼、絵を描きたい
誰にも理解されない
そして誰にも愛される絵