新作をMOSTRAへ昼一番に届けようと思い、午前中にアトリエを出た。

ちょっと早いかな?とも思ったけれど、先ずは腹ごしらえだと馴染みのうどん屋さんへ。

大正時代に創業したお店で、甘い味付けのお揚げさんとだし巻きが入っていて、僕のお気に入りのうどん。

それにおにぎりが付いて、まぁ普通のお値段。

安くて美味しいと今、評判のあの店で食べても100円ぐらいしか違わない。

だったら僕はこっちを選びたい。

お腹も満たされ、いつも通りの店主との「ご馳走様!」「ありがとう!」の遣り取りも心地良い。

開店早々では迷惑だろうと思い、時間潰しも兼ねて、足りなくなっている、ステンシル・プリント用のインクを買いにある手芸屋さんへ。

仕事柄、手芸屋さんへ入るのは慣れたもので、恥ずかしとか、そんな感じにはならない。

此処で僕はおぞましい光景を目にすることになる。笑

週末ともなると、売場の片隅にテーブルを広げて、ワークショップが頻繁に催されていて、ふだんは何かやってるなぁぐらいで通り過ぎるのですが、

今日はただならぬ空気感のため、その前で立ち止まってしまった。

講師のイライラが言葉尻と表情から簡単に見て取れるんだけど、

どうやら、自分が作ってきた見本の通りに絵を描けない参加者に対して怒りを感じる人らしい。

それでも、皆さん逆らわずに一所懸命描いていらっしゃいましたよ。

6人ともが全く同じ絵を。

芸術とは一体何なんだ?

其処には「教え」がなく、従って「学び」もなかった。

アートは死んだ。少なくとも、そのテーブルの上では。

 

という、嫌な場面に出くわしてしまい、重たい気持ちでいましたが、無事にMOSTRAへ納品を済ませ、アトリエへ戻り来客を待つ。

ゲストから、何やら楽しそうな展開になりそうだな、という話も聞けて落ち着いてきた。

出かける前に父が届けてくれた手作り弁当。(父が作ったわけじゃありませんが。) それを楽しみに制作を続ける。

いつも外食だからね。こういうのは本当に嬉しいのです。

食卓の上が散らかったままでごめんなさい。

 

そんな一日。

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