こういう仕事をしていると、何処かで必ず話題となる伝説的な雑誌があります。

Whole Earth Catalog

若き日のスティーブ・ジョブズ(apple社の創設者であり、1980年以降のコンピュータ・カルチャーを牽引した偉人であることは、皆さんご存知でしょう)を熱狂させた不定期刊行の雑誌です。

1968年 スチュアート・ブランドという29歳の若者によって創刊された大判カタログ誌ですが、今の我々が思う一般的な通販カタログとは全く異なります。

その内容は”Whole System/全体システム”を理解すること。

土地の利用、シェルター、自然エネルギー技術、工芸、コミュニティ、遊牧生活、学習、仕事などのカテゴリーから成り、その為のツールが何処で手に入るかをまとめたものです。

つまり、生き抜くためのカタログです。

50年代を優雅に過ごした米国は60年代後半に低迷することになる。

ベトナム戦争での苦戦、ケネディ大統領とキング牧師の暗殺という悲劇。

それらに嫌悪を感じた若者たちの自然回帰思考の指針となったバイブルとも言える。

そのスチュアート・ブランドが続編とも言うべき”Whole Earth Discipline”を発行したのが2011年。

すぐに書店へ走り、手に入れたものの、忙しさにかまけて、読むのが今になってしまった。

発刊日は2011.6.20

3.11の数ヶ月後だが、執筆には当然、何年も費やしているだろう。(しかしチェルノブイリは経験した後だ。)

カウンター・カルチャーの羅針盤とも言える、この雑誌の著書が、原発に肯定的な立場であることに、少なからず動揺している。

更に言えば、遺伝子組み換え技術についても。

この時点では、増大する温室効果ガスの削減の方が重要だった(今もそうだが)ことを鑑みても。

原発の問題点は4つある。

安全性、コスト、廃棄物の処理、兵器への転用。

この全てをクリアできるなら、人類・文明の進歩には安定した電力の供給が不可欠で、それには原発を増やすことが必要だと言う。

経済や文明が後退するとしても、危険なものは排除するべきだという声と、それらを進化させるべく、新しい技術を導入するべきだという声と。

さて、コンティニュームの立つ場所は何処なんだ?

人類が3.11を経験した以上、原発に賛成とは言えない。

が、反対するからには、その代替案を提示することで、やっと成り立つわけです。

忙しいとは、心を亡くすと書くのですが、忙しい忙しいとは言わず、これを機に改めて、いろいろなことを再考したいな。

久しぶりにニュートラルな思考に戻れたようです。ぐるっと回って2周目に突入と言った方が良いかもね。

まぁ、「中立」というのは、最もあやふやだと攻撃される立場でもありますが、理由も述べることが出来ないまま、単に反対と意思表示するよりは良い。

世の中、そんな風にできてしまってませんか?何かに属しなければならないということもないし、僕はそれが嫌いです。

しかし、戦争だけは絶対に反対です。

 

王子公園に「カラピンチャ」というスリランカ料理のお店があります。

周りから美味しいとの評判をよく耳にし、でも並んでまでと(並ぶのが大の苦手で)思っていたら、何と店主が友だちの友だちで、知り合うことができ。

先日も友だち15人ぐらいで貸切にして頂いた。

ほんとうに美味しいのです。

煙草を吸いに表に出たら、数件隣のお店から聴こえてきたのが、この曲でした。

懐かしい〜 12歳のときだったかな。

これは「反戦歌」だよと同い年の友人が教えてくれた。

知らなかったよ。

そんな年だからNena可愛いな、ぐらいで聴いていました。

大学のとき、選んだ第二外国語のドイツ語を、ちゃんとやっておくべきだったと、ちょっと後悔している。

 

歌を聴く時間はある? 私があなたに歌ってあげる 99個の風船の歌 地平線に浮かんでいる 今少しでも気になったなら 歌ってあげるからさ 99個の風船の歌  ほんとうにおかしな話なんだよ

99個の風船 地平線を漂っている それを見た人は宇宙から来たUFOだと思ったんだ それで将軍が命令して 戦闘機の隊が風船を追った UFOなら警告するために でも地平線にあったのは 99個の風船だけだった

99機の戦闘機 1機でもとても強力だよ キャプテン・カークとでも思っているのか 多量の花火を散らしたんだ 隣国は何が起きたのか理解できない でも挑発されたと思って 地平線に向かって撃ち返すんだ 99個の風船に向かって

99人の国防大臣 99本のマッチ、ガソリンをつめた缶 自分たちを優秀だと思っている 政府の金のにおいを嗅ぎつけ  戦争を呼び、力を欲する人々 たった一人の勘違いで こんな大事になってしまった 99個の風船のせいで

99年にも及ぶ戦争 勝者にも生きる土地はなくなった もはや国防大臣も 戦闘機もない 今、周りを歩いてみても 見えるのは廃墟と化した世界だけ もし風船をみつけたら 君を思って飛ばしてあげるよ

 

 

 

 

 

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