シックな赤と明るい緑

少しくすんだ真鍮の色と落ち着いた白の壁

配色の参考になるな

と、半ば現実逃避的な感じで

ロビーで待っていた

フィリピンからホームステイに来ている

自分の子供より若い友達も一緒だと聞いていたので

話さなくてもよいかもと

またしても先送りにするつもりも少し

時間通りに二人は現れ

初対面の僕と彼女は

簡単な自己紹介と握手を交わす

ホテルの夕食まで、まだ30分ほどあるという

このホテルのすぐ北に「まるきや」という骨董屋があり

母が神戸で暮らしていた40年前と全く変わっていないらしい

トアロードを挟んで、ちょうど正面辺りにある細い路地

「そこを入ったら、お祖父さんと私たちが住んでいた家よ」

だいたい、この辺だとは知っていた

時間もあることだし、見に行ってみようとなった

築100年ぐらいかもしれない

その古い家は、あるべき場所にあった

そうだ、たしかにこの家だ

僕が此処に居たのは2歳ぐらいまでかな

それとも、此処を出てから産まれたのか

兎に角、自分のことをあまり知らない

聞きそびれてしまったな

何れにしても、記憶にあるはずがないので

おそらく、後に数少ない写真で見たのだろう

母が言うには、隣人はロシア人だったらしい

それに、この深い溝に乳母車ごと姉を落としてしまったことや

いろいろ懐かしく思い出して、嬉しそうだ

路地を出たところで、トアロードを上って来る

仕事帰りの父を、姉を抱いて迎えに出ていたことなども

国鉄の元町から、此処まで毎日歩くのは、なかなか大変だと思う

父はプライドが高過ぎて、運転免許を取れなかった人である

今も昔も、教習所の教官が偉そうなのは、変わらないみたいだ

ふと「私はスタートが悪かったのね」と呟く

戦後、一級建築士として財を成した祖父と

プライドの高い父

それに一家を切り盛りするお手伝いさんもいたから

居場所がなかったのだなと思う

「別れてからも、簡単にあなたたちには会えると思っていた」と

何故、父がそれを許さなかったのかは分からない

父は父なりに思いがあったのだろう

母と初めて会ったのは、小学校の5年だから

10年間、我が子に会えない苦しさに耐えたことになる

懐かしい家の前を離れて

神戸外国クラブや異人館の辺りを少し歩いた

ホテルの向かいにある、チャイニーズ・レストラン「東天閣」が

おじいちゃんのお気に入りだったらしい

おじいちゃんのことを、ほとんど知らない僕には

それだけでも、宝物のような話だ

相撲の巡業の際

横綱(聞き誤りかもしれない)が滞在するような家だったと聞いているが

訳あって、父は一切相続していない

それがトラウマなのか

毎月、結構な収入があったはずだが

蓄えは全くないという人で

そのほとんどを部下との飲み食いに使ってしまう

何度かご一緒させて頂いたが

毎日がこれかと思うと、無茶苦茶である

が、そんな父を僕はかなり愛している

ホテルに戻って、夕食の席で

フィリピン人の、しかも年齢差もある彼女と

何故、友達なのか聞いた

母が安くて良い英会話のクラスを探して

辿り着いたのが、フィリピンで

彼女はそこの受付をしていたのだそう

ある日、受付の机で小さなノートを開き

日本語の勉強をしているのが、目にとまり

それがきっかけで仲良くなったそうだ

慣れない異国での何日かを、いろいろ手助けしてくれたようで

そこに「縁」を見たのでしょう

いつか日本に行くのが夢だという彼女をほっておけなくなったのだろう

必ず日本に呼んであげると約束して

今回が二度目の来日だということだ

ビザの関係で、滞在は30日間まで

なんとか延長できないかと尽力したようだが

それ以上は不法就労の可能性があるという理由で
(おそらくはフィリピンの女性は、という意味で)

叶わなかった

たしかに、「糞っくらえ」だね 笑

いっそのこと、養子にしようかと縁組まで考えたようだが

笑 相手にも都合があるからね

思い入れが強過ぎるのは

どうやら、あなたから授かった性質のようですよ

そんな話しの合間に「例の話」もなんとなくでき

「男は生涯を、独りでは生きていけないわよ」と

そのつもりだったんですけど〜

「そのうちまた、あなたの仕事を理解する伴侶が現れるわ」と

笑 予言者かっ

これから、度々日帰りでやって来るつもりらしい

二人でテーブルにつきましょう

話したいことは山ほどあるはずだからね お互い

大きな荷物を一つ下ろし

重たい荷物を背負っている人を見かけたら

いつでも下ろしていいんだよと言える優しさを手に入れました

http://youtu.be/sjCw3-YTffo

モストラは、黒の次は茶

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青もいいと思うけどねぇ

こんど言ってみよう

コンティニュームとしては

ネイティブ・アメリカンの人たちが織るような

ストライプのブランケットのような色のTシャツがいいなぁ

また作ってみよう

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